|
●
ヨーグルトが最初につくられた正確な記録や文書はありませんが、
発酵乳と人間の関わりは、紀元前五千年ぐらい前にさかのぼります。
これは、人類の食生活と共に生まれ、文化の発生と同時であったといってもよいでしょう。
●
ヨーグルトのような発酵乳は、むしろ、酒と同様に自然に生まれたものであって、
意識的に作ろうとして出来たものではないようです。
乳をうっかり置き忘れていたら、酸味のあるさわやかな飲み物に変わっていたという、
偶然と人間の知恵と工夫が重なり合って、
乳の保存法として日常生活に積極的に取り入れられるようになったと考えられます。
●
バルカン半島に住み、羊の大群を飼育することで知られていたブルガリアの先住民である
トラキア人は、素焼きの壷で「プロキッシュ」と呼ばれる発酵乳をつくって飲用していました。
後世になって、この地方にスラブ人が住むようになりましたが、
彼らもまたヨーグルトをつくるようになったのです。
おそらく先住者からヨーグルトの魅力と保健効果を教わり、つくるようになったのでしょう。
現在のブルガリアではヨーグルトのことを「キセロ・ムリヤコ」といっています。
ブルガリアで生まれ育った「キセロ・ムリヤコ」がトルコ語のヨーグルトの名で世界に紹介され、
共通語になったのはブルガリアが長い間トルコ帝国の支配下にあったなごりと思われます。
●
19世紀になって、ヨーグルトの普及、発展を語る上で欠かせない人物、
エリーメチニコフ(1845−1916)があらわれます。
生物学者のメチニコフは「ブルガリアを中心としたバルカン半島に
100才をこえる長寿者が多いのは彼らがヨーグルトを常食しているからである。
ヨーグルトの中に含まれる乳酸菌が腸内で悪い細菌の繁殖を抑え、
健康と長寿に関与している。」との論文を発表しました。
これが有名な不老長寿説であり彼がノーベル生理医学賞を受賞したことも
手伝ってヨーグルトは広く世界に普及するところとなりました。
●
|